新しい年の始まりの日に能登半島で大地を揺るがす大地震が起きました。被災地のみなさまには心よりお見舞い申し上げます。会員のみなさまも、それぞれの場所で被災地に心を寄せておられることと思います。
このたび、日本箱庭療法学会第37回大会を2024年10月12日、13日に島根大学の主催で、鳥取県米子市の米子コンベンションセンターと米子市文化ホールで開催させていただくことになりました(Zoom によるハイブリッド形式で行います)。
島根大学主催で前回開催させていただいた2012年の第26回大会は、その前年の東日本大震災のことを想いながら「神話のちから」というテーマで行いました。そして今回は、「聖地のちから」というテーマで土地という「場」とのつながりの意味を今一度、問い直していければと思っております。
大会シンポジウムでは思想家・人類学者の中沢新一先生に『箱庭 ―小さな聖地』というタイトルで基調講演をしていただけることになりました。このタイトルを中沢先生からいただいたとき、私たちが向かい合っているあの「箱庭」は小さな聖地になりうるものなのだと、胸を打たれました。
中沢先生の基調講演を受けて当学会の河合俊雄副理事長が登壇いたします。そこで中沢先生とともに聖地について臨床とのつながりのなかで深めていただきます。普段の臨床のことだけでなく、日常生活の場である土地が震災によって深い傷を負うことをどう捉えたらいいのか、何を私たちはしっかりと分かっておかねばならないのか、そのうえで私たちにできることは何なのかという問いもきっとそれぞれの心のなかで動き出すのではないかと思います。
ところで山陰には、出雲という聖地がありますが、会場という現実的な枠組を整えることが叶わないため、先に述べましたように交通の便のよい米子駅前での開催となります。米子駅は松江や出雲への交通の要ですし、鬼太郎列車の始発駅でもあるなど、山陰の旅への拠点となっています。学会の前後には、ぜひ、足を伸ばしていただけたらと思います。米子駅周辺にはたくさんのビジネスホテルが出来ておりますので、ご宿泊のホテルから学会会場までは徒歩で行っていただけますし、車で12分程度のところには皆生温泉もあります。
いろいろなご事情でオンライン参加となる方もいらっしゃるかと思いますが、もしご都合が許せば、米子市という土地にお集まりいただけたらと思います。スタッフ一同、充実した学会運営に向けて、一生懸命、尽力させていただきます。皆さまのお越しをこころよりお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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